雑貨仕入心得 ギフトショーなど 見本市 上級編

日本語対応 海外出展ブース雑貨の仕入
積極的なアピールの海外企業

ベテラン雑貨バイヤーにすすめたい。プラスアルファ

今回は雑貨買付心得初級編中級編につづいての上級編です。
初心者、中級者の方にも、参考にしていただければ幸いです。*ここでは、国内の雑貨仕入れ業務の経験が5,6年以上の小売店バイヤー(オーナー)を上級者と想定しています。

上級者の方に心得というのもちょっと「よけいなお世話」ですので、いつもの見本市の利用法に、ぜひプラスしてほしい内容を提案します。

本稿は2008年執筆のものに加筆修正

仕入れ先への挨拶は短時間、最小限

長く幅広い取引経験を持ち、懇意にしている供給企業(メーカー、商社、問屋)がたくさんあるベテランバイヤーは、雑貨見本市では既存の取引先企業のブース訪問が中心となりがちです。

極端ですが、既存の取引企業のブースは訪問しなくてもよいくらい(出展企業の皆さん恐縮です!)。理由は、そこと既に取引があると言うことは、その既存の雑貨商品、新しい商品の情報をすでに知っている場合が多いから。

もちろん、いつもお世話になっている、大切なお取引先(仕入先)の出展ブースを訪問して挨拶し、更に良好な関係を築くことは大切ですが、大型見本市会場で「新規」の雑貨、商品、企業を開拓情報収集することとは別の話。

既存の取引先のブースへの訪問は短時間にして、そこの最新の雑貨、商品に関しての情報を教えてもらうこと、資料をもらうことだけで充分ではないでしょうか。事前の案内があったり、万が一見られなくても閉会後にも丁寧に説明してもらえるはず。会場では簡単な挨拶だけでもいいと思います。

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有力バイヤーをつかまえておきたい雑貨メーカー

雑貨メーカーなど出展社さん側としては、バイヤーにちょっとでも長く展示ブースにいてもらって、商品提案や商談をしたいのが本音(雑貨に限らずいろんな業界での営業の基本でもあります)。特にすでに実績のある有力店舗バイヤーであればあるほどです。

「別室でお茶でも」「自社のショールーム(独自展示会)に来てください」「弊社の社長がご挨拶をしたいと言っております」「今夜、お時間ありませんか?」最近は聞く機会が減りましたが、こんなフレーズです。

さっと短時間ですませたいバイヤーと、できるだけ長くつかまえておきたいメーカーとのちょっとした攻防ですね(笑)。マナーとして失礼にならないように、やんわりとお断りして短時間で要件をすませるのが上級バイヤーでは。

「将来」の仕入れのための取材を

見本市は、簡単に言うとビジネスユーザーの出会いと商談の場。海外の見本市はどちらかというと、その場で取引の可否や具体的な条件(価格、ロット、権利関係他)の交渉が中心の直接的な「商談」が多い場です。

対して日本の見本市はあらたな雑貨商品や取引先との「出会い」が中心の場と考えられます。それは、会場で取材した各情報を持ち帰って検討後、あらためて出展社に連絡をして交渉を行うバイヤーが多いこと、会場でもらった名刺を頼りに積極的に営業活動を行う出展社が多いことからも実感できます。まどろっこしいという人も少なくありませんが、堅実真面目な日本の国民性であり一種の美点かなと思います。

これからは会場で、更に「出会い」と情報収集に徹してみるのはいかがですか。初めての出展、久々の珍しい出展、取引をしていない(つきあいのない)出展社を中心に情報収集するなど。

一見関係が無いと思うゾーンも見ておく

自店では仕入れ予定がない分野の商品を展示しているブースでも、少しでも可能性があれば、資料、カタログをもらい、将来の仕入れの参考とする。アパレル店が花束を売り出したり、食品店の売れ筋がエコバッグだったり。店舗の商品分野の垣根がない現在、いつ食品商品を扱い始めるかもしれませんし、家具商品が売り場に必要になる場合もあるかもしれません。数十年前から幅広い分野の商品を扱うことができる業態である雑貨店が、他分野の商品情報を幅広く持っていることは必然です。

いろんな情報が転がっている

“競合店”のメインの取引先とおぼしき出展社に、その出展社全体の商品の売れ行き傾向や条件を聞いてみる(スパイではありませんが(笑)など、知恵を使って様々な視点で積極的に幅広く情報収集をし、たくさんのあらたな「出会い」「取材」を心がけることをお勧めします。

海外企業の直接出展ブースは?

「国際」見本市と銘打った大型見本市では、海外企業の直接出展がかなりあります。上級者の皆さんは、そんな海外企業のブース、ゾーンに対して、いつもどのようにされているでしょうか。

「直接輸入はしていないので、海外企業の展示ゾーンには行かない」
「興味はあるけれど、直接輸入はロット(取引単位)が大きいし、めんどくさそうなので、はなから行く気ナシ」
「英語がわからないのであんまり行かない」等々。

最初の頃は、熱心に見ていた海外ゾーン。最近は省略してしまっている方も多いのではないでしょうか。ベテランになればなるほど、海外企業の商品を直接輸入することの難しさを知っているが為に、脚が向かなくなる。その気持ちわかります。

しかし、ここ数年、状況が大きく変わってきたなと感じています。程度の差こそあれ、日本市場への参入を希望する海外企業の多くが日本の商習慣や、市場の現実を熱心に研究しています。

事実、日本の雑貨マーケットを中心に仕事をする僕に、海外企業や、各種輸出入(海外の場合は輸出)促進団体から、

「日本のマーケットの現状」
「日本の見本市でのアピール方法」
「日本のバイヤーの特徴」
などのテーマのセミナーや講演の依頼まであるくらいです。

世界の中で独特と言われることの多い、日本の雑貨マーケットや商環境を詳しく知りたいという研究熱心な企業が多いのです。

そんな各国企業の日本市場に対する研究の成果でしょうか、まず、日本語の通訳が立ってるブース、日本語の資料やPOPを掲げているブース、その企業の日本の代理店(商社)の営業担当者が立って常駐しているブースなどが増え、以前に比べて、格段に商談がしやすい環境になっています。

そして、取引ロットをはじめとする各種条件も日本の市場(小売との取引までも想定?)を強く意識しているためか、ずいぶんとこなれてきたと感じます。加えて、ご存じのように最近の急激な円高の追い風もあり、小規模な小売店であっても直接輸入を本気で検討する時代と言えそうです。

もちろん、直接輸入に必要な知識や輸入者として持たなければならないリスクと責任(上級者の皆さんおわかりですよね)なども充分に考慮するべきです。しかし直接輸入はそれらの短所をおぎなっても、あまりあるメリットが享受できる可能性が大きいのです。

上級者の皆さん、次の国際見本市では久しぶりに海外ゾーン、ブースをじっくり見てみることをおすすめします。同様にOEM (Original Equipment Manufacturing、オリジナル、別注、特注製作)、できる企業探しも見本市では活発に行われています。

富本雅人

NO.822193

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