Q.アクセサリーも扱う雑貨ショップの防犯(万引等)のコツは?
9月に行われた東京ギフトショーでの私のセミナーの参加者からのご質問です。
A.会場でも、お話しましたようにポイントは「視線」「見守り」
「見張る」ではなく、お客様を「見守る」気持ち。
完全な接客販売がムリであっても、お客様の周辺で「自然」にスタッフが、作業をしていることや、お問い合わせ時や何かあったときにすぐ対応できるような売り場内でのスタッフ配置や心構えが大切です。
○フィッティング(お試し)用のミラーの設置
小さなサイズで、たくさん配置することによって、視線が交錯しますので、防犯にも効果が高いと思います。いわゆる防犯ミラーでは圧迫感、威圧感がありますので、まずは、多数の小型のフィッティングミラーの設置からをお薦めします。*他にレイアウトや什器、備品類も重要。人気(ひとけ)は抑止力あり。
○接客テクニックでは、当然ある程度の頻繁(ひんぱん)なお声掛け
「いらっしゃいませ」「どうぞお気軽にお試しください」「他の種類(バリエーション)もありますよ」「こちら、昨日入荷しましたよ」・・・等自然で声を掛けやすい「フレーズ」を何種類か用意しておくとよいでしょう。
○接客の心構えとしては「来店者を万引き犯にしない」
若年層では、出来心、ゲーム感覚の万引きが多く、
それらの「芽」を摘み取る事が大切だと思います。
- スタッフが誰も店頭にいない
- また、いないように見える状態
- スタッフに声を掛けても返事がない
- いらっしゃいませ等のお声掛けがない
- 店頭の清掃ができていない
- 商品がぐちゃぐちゃとして、整理されていない
- スタッフが雑談をして、来店者をかえりみない他
一見、特に万引防止に関係がなさそうなことであっても、スタッフが来店者、商品に関心が薄いということは、犯罪(万引)の大きな要因。出来心を誘発してしまいます。
*下記「割れ窓理論」参照
○万引きを見つけたら、犯罪として対処を。
中学生の万引きが多く、対処に困っている(許す、許さない)とのことですが、教育面から考えても子供だからと言って万引を許してしまうことは、本人にも後に良い影響があるとは思えません。基本にのっとって警察に届けたいものです。
1件の万引きを厳しく取り締まる事で、大きな抑止効果があります。反対に「あの店は万引きしても許してくれる」という噂は、被害の拡大につながってしまいます。
参考:割れ窓理論 Broken Windows Theory
フィリップ ジンバルド教授の実験
車のナンバーを外したり、ボンネットを開けて道路に放置しても、1週間で何も起きなかった。だが、フロントガラスを割ったところ、10分後にはバッテリーが持ち去られ、続いてタイヤも持ち去られ、落書きがされて……。
結果、1週間後に完全破壊。「窓を割った」という実験より「ブロークンウインドウ理論」と命名。環境犯罪学における人間心理をもとにした理論だそうです。それ(そこ)に誰も注意を払っていない=割れ窓が象徴。ゴミのポイ捨てがあると、そこにゴミが増える。街に落書きがあると落書きが増え、犯罪が増えていく。
店頭でも同様のことが言えるでしょう。汚れた棚、落ちているゴミ。スタッフがいない。スタッフが来店者や商品に注意を払っていない……。
あなたの店に「割れ窓」的象徴はありませんか。
10/13号 /2007年10月14日 メールマガジンにて発行済み NO.693304